人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Dr.パルナサスの鏡<2009>

Dr.パルナサスの鏡<2009>_d0088211_10205346.jpgDr.パルナサスの鏡
鬼才テリー・ギリアムの最新作にして、ヒース・レジャーの遺作となった作品。ヒースが撮影途中で亡くなったため、彼が演じていたトニーという役はジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファースという3人の俳優に引き継がれました。
しかもこの3人、ギャラはヒースの娘に寄付したんですと。ええ話しですね。

普通なら途中で俳優が変わったりしたらストーリーがめちゃくちゃになってしまうものですが、そこがギリアムのすごいところといいますか、すでにストーリーがはちゃめちゃだから気にならないといいますか。

パルナサス博士と娘のバレンティナは、小人のパーシー、曲芸師のアントンとともに旅をしながら、見世物小屋で不思議な鏡の世界に人々をいざなう。
博士はかつて悪魔と取引をし、自分の若さと引き換えに、娘が16歳になったら差し出すことになってしまった。美しく成長したヴァレンティナはまもなく16歳の誕生日をむかえようとしていて、博士はなんとか救う方法は無いかと思い悩んでいる。
ある日、橋から首を吊られていた若者トニーを助け、仲間に加わる。博士は、彼が娘を救うきっかけになると期待するのだが…というストーリー。

パルナサス博士の鏡の世界では、入った人の想像の世界が体験できます。なので、トニーが鏡に入るたび、ジョニー・デップになったり、ジュード・ロウになったりするのです。結果的に、よくできた演出ですね。
鏡の中の世界はいかにもテリー・ギリアム!といった摩訶不思議な光景が次から次へと出てきて、彼が好きなものをあれこれつめこんだ感じだなぁと笑えました。

一応ストーリーはあるものの、これといった説明もなくどんどん不思議な出来事が起こるので、油断すると置いていかれます。深く考えずにこの世界にひたってしまうのが、この作品を楽しむコツと言えましょう。
ワタシは「ブラザーズ・グリム」を観て以来のギリアム作品だったので、ちゃんとしたストーリーものを観る気分でいたんですが、途中で「バロン」を観る感じに気持ちを切り替えました。

ところで博士を演じていたクリストファー・プラマーは、ミュージカルの名作「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐だったことを知ってびっくり!!なんとおじいちゃんになっちゃったことか…
Dr.パルナサスの鏡<2009>_d0088211_10211565.jpg
Dr.パルナサスの鏡<2009>_d0088211_10272370.jpg

by hobomovie | 2010-02-13 10:30 | 外国映画 | Comments(0)