セントアンナの奇跡<2008>
「マルコムX」や「ドゥザライトシング」など、黒人ならではの視点で名作を送り出しているスパイク・リー監督の作品ですが、実はリー監督の作品を観るのは初めて。
いわゆる第2次世界大戦モノは色々と観たことがあるけど、黒人のアメリカ兵は出てきたこと無かったな、と気づかされました。黒人には選挙権も無いような時代に、そんな母国のために命をささげるとは実に皮肉。
でも実際に黒人部隊というのはあったそうで、俺はアメリカの未来にかけてるんだ、と黒人兵の1人が言う場面が印象的でした。
物語の始まりは80年代アメリカで、郵便局員が窓口に現れた男性を突然射殺するという不可解な事件から、その発端となる第2次世界大戦中のイタリアへと移っていきます。
イタリアはムッソリーニ率いる共和国軍、イタリア王国軍、ドイツ軍、アメリカを含む連合軍、民間兵のパルチザンによって混乱状態に陥っており、この作品では特にドイツ軍と連合軍の戦いが描かれています。
戦闘やドイツ軍の侵略のシーンはリアルで胸が痛みました…
ストーリーのほとんどがイタリアの田舎村で、ヨーロッパ映画のような雰囲気でした。イタリア映画が得意とするような、かわいい少年も出てくるし。
結末は若干ハリウッド映画的で受け入れにくい部分もありますが、見ごたえのあるいい作品でした。
セントアンナの奇跡
by hobomovie | 2009-08-16 21:29 | 外国映画 | Comments(0)