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メッセージ<2017>

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さあさあ、地球のあちこちに突然宇宙船が出現しました。日本のお菓子「ばかうけ」型の、巨大で不思議な宇宙船です。
中国、ロシア、日本など各国が対応に追われますが、何の目的で現れたのか全くわかりません。
あ、ちなみに日本では北海道に現れたようですよ奥さん。

アメリカでは言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)が招集され、どうやら宇宙船の中にいるエイリアンとコミュニケーションをとろうとしている様子です。
ばかうけ宇宙船の中は人間に適した環境ではなく、限られた時間の中で得た断片的な情報をなんとかつなぎ合わせるルイーズとイアン。
果たして宇宙船の真の目的とは?

ハリウッドのSF作品というと想像を超える映像をドーン!バーン!と出すイメージで、今回もまぁすごいはすごいんですけどそれほど派手さはなく、主人公ルイーズの内面を丁寧に描いた作品でした。
冒頭からルイーズがひとり娘と過ごした日々の記憶がちょいちょい挟まれてきたりして、彼女が思い悩みながら生きているようでありつつ、宇宙船の件同様すべてが断片的で、最初からずっと頭の上に「???」が浮いている状態で観続ける感じでした。
それがなんと結果的にはばかうけ宇宙船がやってきた目的にもつながったりして、なんとっそうでありましたか!と膝を打つエンディングでした。

説明的なセリフや展開がほとんど無いところもまた良かったです。
今の世界、どの国家も未確認の宇宙船はもちろん他の国も全く信用してなくて各国の対応がバラバラ、アメリカ国内でも分裂しかねないところはすごくハラハラしたし、皮肉なストーリーでもありましたな。
みごたえのある、面白い作品でした。

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by hobomovie | 2017-07-23 21:21 | 外国映画 | Comments(0)

ハドソン川の奇跡<2016>

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ハズさない男、トム・ハンクス。
最近は船長とか弁護士とか世界的アニメクリエーターとか実在の人物ばかり演じてらっしゃるようですが、今回はまたしても実在の人物。
しかも、旅客機が真冬のハドソン川に不時着した事件と言えば世界中誰でもああ、あの!となるサレンバーガー機長が今回の役どころです。
しかもしかも、監督は毎年名作を送り出しているクリント・イーストウッドときた。これは観ないわけにはいきませんな。

2009年1月15日ニューヨークのラガーディア空港を飛び立った飛行機は、マンハッタン上空で鳥の群れが衝突し両エンジンが故障してしまう。
離陸した空港やその他の空港へ向かうことは無理だと判断した機長は、ハドソン川へ不時着することを選び、乗客乗員155人のうち1人の死者も出なかった。
物語は事件の後、飛行機がマンハッタンへ墜落する幻覚を見たり、英雄視されたりしてつらい思いをしているところから始まります。

とにかくていねいに描かれている作品で、主役のサリー機長はもちろん、彼の家族や副操縦士のジェフ、事故の様子や国家運輸安全委員会による調査などなど、全てがきっちりしてました。
事故当時は日本でも大きく報じられてましたけども、まさかそのあとこんな追及を受けていたとは、全然知らなくて驚きました。結末を知らないので、最後までどうなるんだか気の抜けない展開でした。

とりあえずこの事故そのものが嘘のような本当の話しだもんで、それ以上驚きの展開も無いわけですが、これが実話のパワーですな。しみじみいい作品だったなぁと思う映画でした。

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by hobomovie | 2016-11-03 21:24 | 外国映画 | Comments(0)

海街diary<2015>

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是枝監督の新作、少女マンガの映画化というのは珍しいですね。どうやら原作が最初から好きで、映画化したかったそうですが、ばっちり是枝カラーの映画になっていました。

毎回毎回、びっくりするような新人(特に子役)を発掘してきて、それ以外の俳優陣も含めてキャスティングの妙を感じる是枝作品ですが、今回は4姉妹の末っ子を演じる広瀬すずが良かったです。
最近あちこちひっぱりだこな彼女なので、全く手つかずの感じが無いのが残念でしたが、それでも重要な役を一から作り上げていて素敵でした。あえて脚本は見ず、毎回監督から口伝えでセリフを教えてもらっていたそうで。
これが初見だったら、なになにこの子!!ってものすごく話題になっただろうなと思いますよ。

母方の祖母に育てられた全くタイプの違う3姉妹(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆)は、大人になり鎌倉にある古い家で暮らしていた。
彼女たちが幼い頃、母と3姉妹を捨てて出て行った父の訃報が届き、腹違いの妹がいることを知る。3人は彼女をひきとって一緒に生活することにするのだが…というストーリー。

設定はおもたーいし人間関係も複雑なのですが、淡々と、さらりと物語が進んでいく感じで、劇場で観て良かったなぁと思いました。
こういう作品は、家でテレビでみたりしたら、その良さがあんまりわからないというか、日常に紛れてしまう感じがするんですよねー。
たとえば、ドキュメンタリーをみる時のような集中力を要する作品だと思います。まー、元々ドキュメンタリー出身の監督ですしね。
それでこそ、登場人物が感情を露わにするシーンで感動できるんだなぁ。

要所要所で出てくる食べ物がすごくおいしそうだなぁと思っていたら、クレジットにフードコーディネーターの飯島奈美さんの名前が。やはりですな。
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是枝監督作品の中で大好きな「奇跡」にも出ていた前田旺志郎くんがすずの同級生役で出演していて、今回もすごく良かった。もう中3くらいなんだなー。大きくなってました。これからも期待です。
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by hobomovie | 2015-07-24 22:54 | 日本映画 | Comments(0)

天才スピヴェット<2013>

いやはや、新年でございますよ。あっという間に12月が終わっていました。まるまるブログをサボってしまいました。どうもすいません…12月は仕事もそれ以外もとってもバタバタで、年末の休みになるまで映画を1本も観られないほどだったのですよ。いわんや、ブログをや。
そんなワタシでございますが、今年もよろしくお願いいたします。
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まだまだ気持ちにも時間にも余裕があった11月、この作品を観に行きました。
映画館で観る作品を選ぶ基準として、最近は「好きな俳優」よりも「好きな監督」の方が重要だと思いますよね、映画好きなら当然かもしれませんけども。
やはり作品の要素の大部分を占めるのが監督で、その世界観は当然次の作品にも引き継がれていくと思うんですよねー。
ということで、「アメリ」以降チェックしているジャン=ピエール・ジュネ監督の新作です。

3Dで観た方がいいという話しも聞きましたが、まー、2Dでもいいんじゃないですかね?ということで劇場へ。ジュネ監督作品としては珍しく、アメリカが舞台のストーリー。

モンタナの牧場で家族と暮らすスピヴェット少年10歳は、論文が専門誌に掲載されるほどの頭脳の持ち主でありながら、学校や家庭でしっくりこない生活をおくっている。双子の弟を銃の暴発事故で失った心の傷が癒えていない。
そんな中、スピヴェットの発明が受賞し、スミソニアン博物館から授賞式の連絡が入る。スピヴェットは家族に内緒で旅立ちの決意をする…

モンタナからワシントンDCまで、突然始まったロードムービー、スピヴェットの運命やいかに?と目が離せませんでした。
スピヴェットは弟の事故現場に居合わせたことからずっと自分を責めていて、家族からの愛と許しをなにより求めているのだけど、それがうまく表現できない…と言うと単なるかわいそうな少年になってしまうけども、スピヴェットも家族も個性的で才能があって、その中での居場所を作る過程の物語でしたね。
それがジュネ節で面白おかしく、おもちゃ箱のような作品になっていました。
軽く楽しめる3D作品という、新しいジャンルを作ったかも知れませぬ。
「アメリ」からフランス的要素とラブストーリーを抜いてもオッケー、という人なら、きっと好き。
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by hobomovie | 2015-01-04 20:55 | 外国映画 | Comments(2)

ノア 約束の舟<2014>

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「ノアの方舟」の物語といえば世界を滅ぼした洪水と、神の言葉を信じて方舟を作ったノアとその家族、方舟に集められた動物だけが生き残るというストーリーで、それが今のCG技術とラッセル・クロウ主演でどんな風に描かれているか楽しみにしていました。

旧約聖書ものの映画って、最近はあまり観ませんねぇ。子どものころ「十戒」をテレビでみて、結構面白かった記憶があるのですが。広く知られすぎてる物語だけに、今さら映画化するのが難しいんでしょうか。

そして今回の「ノア」はというと、あれこれ新しいエピソードがくっつけられていて、本筋がぼやけてしまうほどでした。
ある意味新鮮と言えないこともない。

思えばラッセル・クロウは「ベン・ハー」のような「グラディエーター」にも出てたことだし、第二のチャールトン・ヘストンとしてシンプルに聖書どおりのストーリーでも十分感動巨編が描けたんではないかと思うんです。
しかしこのノアさん、あれこれ悩むのは当然なのですが、最終的にやっと降り立った台地で収穫したブドウでワインを作り、酔っ払って自暴自棄になるあたりはどうなんでしょうね。本当に必要だった?このシーン、という感じです。

ノアさんは動植物だけで平和な地球を取り戻すのがこの洪水の意義であり、神に背いた人間は滅びるべきだと信じています。新しい世界に動物たちを導くためだけに、自分たちは選ばれたのだと言うのです。うーん、これは新しい。
最終的には人間は神にやりなおすチャンスを与えられたのだと考え直すのですが、それまでに次男が連れて逃げようとした女性を見殺しにするわ、孫を殺そうとするわ、むちゃくちゃした挙句ただの酔っ払いになるという。
しっくりこないわ~。ノアさん、しっくりこないー。

ということで、感動スペクタクル巨編になる可能性は十分あった作品でしたが、きょとーんで終わってしまったのでした。とても残念です。

ノアの周りで様々な奇跡が起こるところは唯一と言ってもいい感動ポイントでした。動物たちが方舟に集められるシーンはフルCGだと思いますが、みごたえありましたね。

あとワタシは方舟で8人助けられるということを知っていたので(「船」という字の元になっているとか)、ノアの家族は6人だけどどうなるのか…あ、次男が女性を連れて…来ない、密航者がいて7人、なるほど子どもが生まれて8人…と思ったら双子!?と、ある意味ハラハラした展開でした。結局、本筋からしたら人数なんてどうでもいい感じだったんですけどね。
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by hobomovie | 2014-07-03 10:42 | 外国映画 | Comments(0)

ヴァンパイア<2012>

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岩井俊二はドラマ「ifもしも(打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?)」の頃から好きな映像作家で、特に「Love Letter」や「四月物語」なんかのほんかわした作品が好きです。
彼が「花とアリス」以来8年ぶりの長編映画を監督して、全編英語&カナダロケ、ヴァンパイアがテーマということで、これは「リリィ・シュシュ」系のダークサイド作品だな…と覚悟を決めて劇場へ。

果たして、ミニシアター系の映画館はガラガラでございました。
実際、作品はというと超・ダーク&ヘビーな内容でしたね。

物語はのっけから自殺志望の女性から血を抜いていく男性が登場してびっくりな展開でしたが、その男性は高校教師のサイモン(ケヴィン・ゼガーズ)で、病気の母(アマンダ・プラマー)と二人で地味~に暮らしている。
言うなれば猟奇的殺人事件の犯人なわけで、母親の扱い方も病的だし、こりゃヴァンパイアというより病んでる人間が主人公なのでは…それにしても次々と女性の血液を抜いていくから気持ち悪くなってきた…とつらい状況で観ていました。

サイモンが女性の血液を飲んで吐くシーンがあったりなんかして、ますます気持ち悪くなりながらも観ていると、あらあら不思議このサイモン青年にいつの間にやら感情移入してしまい、彼のことが世間に知れてしまうのではないかとハラハラしてきました。

彼の行為は絶対許されないものだし、彼自身もちっとも魅力的ではないのだけど、社会から疎外されているマイノリティという点で応援してしまう…のかなぁ。本当に、不思議な映画でした。
彼が本当にヴァンパイアだったのかどうかも、不思議なままです。

ちなみに、日本からの交換留学生という役で蒼井優が唯一日本人キャストとして出演しています。彼女の芝居は最近のドラマとかでは若干くどいな~という印象でしたが、岩井作品では活きますね。
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by hobomovie | 2014-06-22 19:19 | 日本映画 | Comments(0)

キャプテン・フィリップス<2013>

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先月韓国でフェリーが転覆、沈没してしまうという事故がありましたが、そのニュース映像の中で衝撃的だったのは、一目散に逃げる船長の姿。
犠牲になった大勢の乗客のことを思うと怒りを覚えるとともに、この映画をみやがれ!と言ってやりたい。

トム・ハンクスの映画に大ハズレなし、という思いを新たにした、みごたえたっぷりの作品でございました。

2009年4月、オマーンからケニアへ物資を運ぶアメリカの貨物船マースク・アラバマ号は、わずか4人のソマリア人海賊に占拠されてしまう。
20人の乗組員を救うため、フィリップス船長は海賊の人質となるのだが…というストーリーはまとめると簡単なんですけども、すごい点が数々ある作品でした。

まずはこれが実話をベースとしている点がすごい。映画公開時に実物のフィリップス船長をテレビで見たりしてそのお元気な姿を確認しているものの、どうやっても助かりそうにない展開でしたよほんと。

それから、ソマリア人海賊を演じた人たちがすごい。役者ではなく、ソマリア系アメリカ人の素人対象にオーディションを行って選ばれた人たちなのです。彼らが海賊行為に身を投じる背景も描かれていて、さらにリアルになっておりました。
もうとにかくね、常にどなっていて全然話が通じない感じなんですよ。それがすごく怖かった…
フィクションでありながら、ドキュメンタリーを観ているような錯覚に陥りました。
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そして一番すごいのは、キャプテンの決断力です。人質になってしまうのは最後の手段でどうしようもなかった結果であって、そこに至るまで船長として、様々な決断をする場面があるわけです。
息つくひまもないストーリー展開なんですが、立派な船長の姿に胸が熱くなりました。船長ってすげーと、心から思いましたよ。
しかし、残念ながら船長にも色々あるんだ…と最近は思ってますけどね。

最後にもうひとつ、アメリカ海軍が本気出したらすごいってことを付け加えておきましょう。ネイビーシールズって本当に、こんな映画みたいなことやるんやな…!(まぁ、映画なんですけど)
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by hobomovie | 2014-05-11 21:17 | 外国映画 | Comments(0)

エレニの帰郷<2013>

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大学生のころ、ゼミの映画好きな教授に「旅芸人の記録」はすごくいいから是非みなさい、と言われたことがありました。
ギリシヤ映画というとっつきにくさから、映画好きのワタシでありながら教授の助言に従わないままはや幾年月、かの作品の監督テオ・アンゲロブロスは2012年にオートバイ事故で急死してしまいました。
そこで、彼の遺作となった「エレニの帰郷」と、回顧上映で前作「エレニの旅」を観ました。
アンゲロブロス作品が好きな友人から、「旅」はわりとわかりやすいよ、と勧めてもらいまして。
回顧上映では「旅芸人の記録」もあったんですけども…やはりハードルが高く…すんません教授…

「旅」の方は、第二次世界大戦とギリシヤ内戦を舞台に、戦災孤児となった後ひきとられ、独裁的な養父から逃れるため恋人と駆け落ちするエレニ。二児の母となったものの反政府勢力の友人がいたため投獄され、夫は徴兵され、子供たちは内戦の犠牲となるという波乱に満ちたストーリーでした。

今回の「帰郷」は、舞台を戦後のロシアに移し、シベリア刑務所に投獄された経験を持つエレニが恋人を追い求めてアメリカへ渡る物語と、ベルリンに暮らすエレニの息子とその娘エレニの物語が同時進行するストーリー。
いやはや、前作同様に淡々と進むストーリーでありつつ前作以上に説明的展開が少なく、これは…どういう意味なんだか…と真剣に考えながら観ないといけない作品でした。
ほとんどのシーンがズームイン・ズームアウトによる長回しで、なんというか余白の多い映像でした。
ワタシは両方のエレニが同一人物だと思い込んでいたので、さらにややこしい状況になってしまった。

でも、ぼーっと観ているだけでそれなりに楽しめる作品ばかりでなく、こういうのもたまには観たいものです。となるとやはりヨーロッパ映画ですねぇ。

ウィレム・デフォー、ブルーノ・ガンツ、イレーヌ・ジャコブといったキャスティングも良かったです。

アンゲロブロス監督はもう1作撮って20世紀3部作にするつもりだったようです。きっと、運命に翻弄されつつ愛する人を追い求める強い女性・エレニをヒロインにした新たな作品になるところだったんでしょう。実現できなくて残念です。合掌。
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by hobomovie | 2014-02-16 23:02 | 外国映画 | Comments(2)

そして父になる<2013>

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少し前にカンヌ映画祭で審査員賞を受賞したというニュースが騒がれてましたね。是枝監督の作品は以前から好きでよく観ているので、公開を楽しみにしてました。

福山雅治が主演でエリートサラリーマンを演じているのですが、どうやってもかっこ良くなってしまうのでなんとか普通の父親に見えるよう演出している(監督が「福山さん!ポケットから手出してもらっていいですか?かっこいいんで!」とか言っていた)という撮影風景をTVで見かけたりしていて、スター福山がどんなことになっているのやら?という期待もあり。

野々宮夫妻(福山雅治&尾野真千子)の一人息子・慶多(二宮慶多)と斎木夫妻(リリー・フランキー&真木よう子)の長男・琉晴(黄升炫)が、出生時に病院で取り違えられた子だったことが明らかになる。
あまりの出来事を受け入れられない二つの家族。
一緒に過ごした6年間と血のつながりを天秤にかけるという、重いテーマの作品でした。

野々宮家は都心のタワーマンションに住み、父は大企業に勤務、愛車はレクサス。一方の斎木家は夫婦+3人きょうだい+祖父という6人家族、家で電気店を営み、愛車は店の軽四のバン。あまりにもわかりやすく対照的な2家族ではありましたが、その対比がまた面白かったですね。

ワタシ個人的には、斎木家で育ちたいなーと思うほど、リリー・フランキーと真木よう子は魅力的な父ちゃんと母ちゃんでした。
親子の苦悩は物語の中心である野々宮家の方がより深く描かれているので、泣かされましたねー。
「スター福山」感は完全にはぬぐいきれてませんでしたが(ギター持ったりしちゃってたしな)、「そして父になる」というタイトルは彼のためにあるんだなぁと思いました。

監督は元々ドキュメンタリー出身だからか、淡々と進む物語&明確な答えを用意しないエンディングが特徴ですが、今回も変わらない是枝節が良かったです。かつての日本でこういう事件が生じた場合、100%子どもを交換することを選んでいたようですが…果たして自分なら…と考えさせられました。

赤ちゃんの取り違えなんて、現代日本で絶対起こらないだろうと思うんですが、そこはとりあえず納得がいく原因が用意されてました。その事件に関わる人たちも、家族のつながり=血のつながりなのか?というテーマにヒントを与えるエピソードになってました。

ところで最近、この作品のリメイク権をスピルバーグが手に入れたというニュースを見ました。楽しみですね。
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by hobomovie | 2013-10-19 17:33 | 日本映画 | Comments(0)

くちづけ<2013>

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埼玉県にあるグループホーム「ひまわり荘」。漫画家・愛情いっぽん(竹中直人)は知的障がいを持つ娘のマコ(貫地谷しほり)とともにそこで暮らし始める。先に入居していたうーやん(宅間孝行)とマコには淡い恋心が芽生えて…
と、これならハートウォーミングなラブストーリーって感じですが、冒頭でマコの不審死を報じるニュースが登場し、一筋縄ではいかないストーリーだということが明かされております。
はてさて、これは一体どういう展開になるのか?

ひまわり荘を運営している国村夫妻(平田満・麻生祐未)とその娘はるか(橋本愛)は入居者が起こすトラブルに苦労させられつつも、それぞれが幸せに生きるため奔走している。この一家がとにかくすばらしいんですよね。
勤務中にちょいちょいビールを飲むスタッフ・袴田さん(岡本麗)は利用者にも来客にも悪態をつく問題スタッフなので、ははーん、この人がなにやら不穏な空気を呼んでくるのか?と思いながら観ていましたが、結局根はすごくいい人だったと。

マコの死というのが前提にあるので、無意識のうちにそこに至る布石を探しながら観てしまうんですよね。

でも、うーやんの妹・智子(田畑智子)が、障がいを持つ兄のことが原因で婚約が破談になったあたりから、物語に引き込まれて結末をあれこれ詮索しなくなりましたな。
智子の様子から察するだけで観客に詳しいことはわからないんだけど、智子とうーやんのやりとりが泣けました。

そう、元々この物語は宅間孝行主催の劇団・東京セレソンデラックスが舞台で演じたもので、映画もその雰囲気を大切にしてワン・シチュエーションスタイルを貫いていて、ひまわり荘のみでストーリーが展開していくのですよ。
観客の想像にゆだねられる部分が、結構大きいんですよねー。
この作品に関しては、ひまわり荘以外で起こる出来事がかなり重要で、それが結末にも大きく影響するので、映画としてはどうかなー、ワン・シチュエーションにこだわらなくても良かったんじゃないかなーと思います。
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先に書いた登場人物以外にも強く優しく思いやりのある登場人物がほとんどで、この悲しい結末に至るにはちょっと動機が弱いと言いますか…「やむにやまれぬ」感が伝わってこなかったですね。
結局、智子破談のくだりで流した涙は、エンディングですっかり乾いてしまいましたとさ。

しかし、現代日本で成人した知的障がい者が生きていくつらさとか、問題が取り上げられていたところはすごく意義があると思いましたね。
身寄りがなくなるといった不幸な出来事が重なり、生きていく術を持たない場合、居場所を失った知的障がい者が軽犯罪を繰り返して受刑者となってしまうこともあるという話しもでてきました。
うんうん、そういう問題もあるよね…と思っていたら、それと同じような感じで、いわゆる浮浪者、ホームレスになってしまうこともあるというくだりがありまして。犯罪者とホームレスをひとくくりにしてしまう乱暴さがちょっと気になりましたですね。
そこで「なんだそりゃー!」と現実に引き戻された感じでした。残念。

そういう残念ポイントはありつつも、心に残る作品ではありました。
とにかく、宅間孝行のうーやんがダントツで良かったですね。
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by hobomovie | 2013-06-30 10:41 | 日本映画 | Comments(0)