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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)<2014>

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主演のマイケル・キートンは「バットマン」や「ビートルジュース」で人気のあった俳優でしたが、ふと気づけばスクリーンでみかけない日々が続いておりました。
そんな彼が、かつてヒーロー映画で一世を風靡したあと落ちぶれ、再起をかけてブロードウェーの舞台に挑戦するというストーリーの映画に主演と。
これほどの自虐ネタがあろうか。
彼こそが、一世一代の勝負に出たという感じがします。

マイケル・キートン演じるリーガンは、かつて「バードマン」というヒーローもので人気を得たという設定なのですが、世代的にどうしてもこっちのバードマンがまず出てきたり、
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SMAPの曲を口ずさんでしまったりして、実際観終わったあとは脳内ヘビーローテーションだったりしたのでした。観る前から邪念が多うございます。

リーガンの心の中には常にバードマンが存在していて、映像ではリーガンのそばに現れてあれこれ言ってきたりします。これこそ映画の醍醐味という演出ですが、観客にもリーガンの心象風景が見えてきて、「ブラックスワン」のように主人公がどんどん追い込まれていく感じで、それはそれはつらいもんでした。
途中でブロードウェーの辛口評論家に言われていたように、同じショービズでも映画と舞台は全く別もので、求められる力も違うわけです。
なぜリーガンがあえて舞台に、しかも少人数で演じるストーリーものに挑戦しようとしたのかは語られないのですが、脚本・演出・主演を兼ねていることもあってプレッシャーはハンパなく彼を襲います。

そんなダークな物語が、まったくカットがかからないひとつづきの映像のように進んでいき、まったく目が離せない展開でした。
ほとんどが劇場の舞台と舞台裏なのでドアを開けるシーンがたくさんあるのですが、そのたびに時間が進んでいたり別の場所になっていたりしているのです。これまた、映画ならではだなぁと面白かった。

結局のところ、壮大な皮肉がテーマとなっている作品だったのかなぁと思います。マイケル・キートンが主演なこととか、ヒーローもので成功したことの代償とか、映画で失敗した人が舞台でやりなおそうとすることを映画で撮ることとか。
音楽はほとんどがドラムソロでこれまた画期的だったんですが、それも過剰な演出やハデハデな映画音楽へのアンチテーゼだったりとか?深読みしすぎかもしれませんが、とにかくかっこいい音楽でしたなぁ。
うーん、予想以上に深い作品でした。
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by hobomovie | 2015-04-26 22:07 | 外国映画 | Comments(2)

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密<2014>

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アタシはさぁ、映画は監督で選んで観てるワケ。俳優の追っかけとかはしないワケ。なんて桃井かおり調で映画ツウぽく語りがちなまやぞーでございますが、すいません、今回は俳優で追っかけちゃいました。

ベネディクト様、アカデミー賞ノミネートおめでとうございます!受賞はのがしたけどドンマイ!
実際のところドラマ「シャーロック」の彼が大好きなわけですが、今回は実在の天才数学者役ということで、シャーロックファンにはもってこいの作品でした。

第二次世界大戦中、ドイツ軍が使用している暗号「エニグマ」解読のため、英国内の数学者が極秘で集められた。その中の一人アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、解読不可能と言われた暗号を解くため、独自のマシンを開発するというストーリー。

大戦中に暗号解読に挑むチューリング、戦後に警察に逮捕され取り調べを受けているチューリング、少年時代に全寮制の男子校にいるチューリング。この3つの時代が同時進行するのですが、どの時代のチューリングもまぁまぁピンチで、これからどうなるのかとハラハラドキドキでした。
とにかく天才というのは、生きづらいものなのですね…ワタシ凡人で良かった…と思いつつ、最後にはちょっと泣けてきました。
他人から理解されないし、されようとも思わない孤独な天才というのは想像していたんですが、同性愛者ということは全然知らなかった(というかチューリング自体知らなかったんですけど)ので、まぁびっくりびっくりでした。

暗号解読マシン「クリストファー」が完成するまでチームが分裂したり、クビにされそうになったり、ソ連のスパイと疑われたり、色々大変だったので、やっとマシンが動き出したときは感動的でした。
無数の円盤がザッザッと回るんですが、そのリズムに合わせて音楽が入ってきて、戦闘中のイギリス軍がオーバーラップしてきたシーンなんて、もう最高。
誰ー?こんなオシャレなことするのはー?とパンフを見たら、「グランド・ブダペスト・ホテル」の音楽でアカデミー賞を受賞したアレクサンドル・デスプラという方でした。覚えておこう。

そうして暗号は解読されるのですが、ここからがまたすごい展開。イギリス軍が暗号を解読したことがドイツ軍に知られたら、また暗号を変えられて今までの努力が水の泡なわけです。これは参った。
その後イギリス軍がとった作戦は、戦後もずっと極秘情報として隠されてきたんですなぁ。いやー、みごたえのある作品でした。
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by hobomovie | 2015-04-03 23:01 | 外国映画 | Comments(0)