今回訪れたクラクフという街は、映画「シンドラーのリスト」の舞台となった場所でもあり、映画のロケも行われました。
オスカー・シンドラーのホーロー工場が現在博物館になっているので、観光3日目の朝イチで路面電車に乗り込んで向かいました。鉄道の駅もすぐ近くにあるのですが、どえらい工事中で電車もストップしておりました。街でメインの鉄道なんだけど、どういうこと?と思いつつ、道行く人に場所をききながらたどりつきました。
市街地からヴィスワ川を挟んで南側にあり、少し郊外なので雪も多く残っていたような。
ホーローって英語ではエナメルなんですね。
オープンの10時少し前に着き、最終的に20人ほどドアの前で待っていたので、ここも人気のスポットなんだなぁと感じました。ちなみにここで待ってる時が今回の旅で一番寒かったかも。
博物館は、第二次世界大戦中のクラクフの様子を様々なアイテムで展示してあり、とても凝ったものでした。工場の建物だということを忘れてしまいそうになるくらい、大がかりでみごたえがありました。
もちろん英語なので細かいところまで理解できませんでしたが、平和だったクラクフの街がドイツ軍に占領され、もともとユダヤ人が多く暮らしていたカジミエシュ地区にゲットーが形成され、収容所での強制労働が始まっていくという時間の経過にそった展示になっていました。
そんなこんなでひとつひとつじっくり見て回っていたら、結構な人数が一緒に入ったはずなのに、いつのまにかワタシのまわりには誰もいなくなってしまいました。
展示物のすべてが当時のクラクフを忠実に再現しているので、街の雑踏や人の声なんかがBGMとしてずっと流れていて、この集合住宅の入り口と思われるコーナーは薄暗い上にひそひそと話す声がずっと流れていて、若干怖くなってきてビクビクしながら通りました。
ゲットーもリアルに再現されていましたが、ここへ至る通路も暗くてかなり怖かったです。
シンドラーのオフィスまでたどりついたら、部屋のすみに係員のお姉さんが座っていてちょっとびっくり。それまでも結構写真撮ってたけど、OKですよね?とたずねたらもちろんですと言われてので、安心して撮り続けました。
「シンドラーのリスト」はみたことがあったけどかなり記憶が薄れている部分もあったので、帰ってから改めてみなおしました。行く前にみなおしとけば良かったなーと激しく後悔しております。
シンドラーはもともとビジネスマンで、安価な労働力としてユダヤ人を利用するという発想から収容所近くのホーロー工場を購入して事業を始めます。そこから様々な苦難を乗り越えて、結果的に多くのユダヤ人の命を救うことになるのですが、工場近くには収容所跡をしめすような場所もあったようです。下調べ不足で、まったくスルーしてしまったのが残念です。
博物館の中に再現された収容所。本当に砂利がひいてあって歩きにくいことこのうえない。
建物には「シンドラーのユダヤ人」と呼ばれた、シンドラーに救われた人たちの写真がたくさん飾られています。
自分がもし当時のクラクフ市民だったら、ユダヤ人だったら、どのような運命をたどることになったかなぁと思いをはせつつ博物館を後にして、ゲットーがあったカジミエシュ地区へ向かったのでした。